トランスシボウさん

ある日、僕は凄い悪玉になっていた。
世界中から嫌われた僕は、くわかずになる事を決意する。
そう、自転車でに向かった。
にはくわかずにしてもらえる神殿があると聞いている。
でも、くわかずになれる資格があるのは猫だけだということも、僕は知っていた。
「でも、僕はくわかずになりたいんだ」
その思いが僕に履歴書を書かせた。
職歴の所には、どれだけ揚げ物がすばらしいかを事細かに記した。
やがて、に向かっているつもりの僕は、福岡で財布を落とした。
僕は酷く落ち込んだ。
財布を落としたことよりも、に向かって福岡に着いてしまった自分の方向音痴さ加減に対してだ。
僕は、もうくわかずになるより他にないんだ。
段ボールに入ると、自転車に宅急便で発送した貰った。
ピンポーン。
「くわかずさんお届け物です」
カチリ
「ちゃっす」(何かな)
「ちゃーっす」(なんだこれは)
中にはミイラ化した死体が一つ。