生活保護の権利も金持ちに恵んで貰ったものだったんだ
最低限必要な社会規範にだけ「正義」という名前を与えるとすると、
福祉政策は本当は正義ではなく慈善だろう。
しかし、まさにそうであるからこそ、正義という名を必要とするのだ。
つまり、それを正義と呼んで良いとすることもまたその慈善の一部に組み込まれなければならない。
貧乏人は金持ちから恩恵によって金を恵んで貰うのではなく、金を与えられるべき正当な権利があることにならねばならない。
つまり、金だけではなく、それが正当な権利であるという認定もまた恵んで貰わなければならないのだ。
それゆえ、恵んで貰ったというその事実を抹消するというその事も恵んで貰わねばならない訳だ。
だから、恵んで貰った暁にはその事実は抹消される。
