ひがむ
「ひがむ」は、「どうせ……」という副詞と共に出場する。
ある侮辱を受けた時「どうせ高卒さ」「どうせ貧乏人だよ」「どうせブスだよ」「どうせ二号さ」
という言葉をガンガン響かせて、暗闇で唇をかんで堪え忍んでいるようすがめに浮かぶ。
しかも「ぐれる」のように鬱憤を外にはき出すことが無く、
目だけうろうろさまよわせながら、価値観はほぼ完全に世間に従っている。
だからこそ、世間に対する凝り固まった恨み辛みが、そしてそんな自分に対する甚だしい嫌悪感が全身に行き渡っているのです。
p.23-4
- 作者: 中島義道
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/04/10
- メディア: 新書
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