フカバス完成を記念して

ふかばす2の冒頭をうp!

「哲子、あなたはふかがわばすたーずを敵よ」今日も今日とて学校帰りにアジトにやってくるなりなりみかかにそう告げられた哲子は意味がわからない。軽い混乱状態だったと言って良い。
 「敵よ?」そう確認しただけなのに、みかかは顔を真っ赤にして怒鳴る。
 「クビよ、そしてあんたはふかばすの敵!」「えーっ」私をふかばすにスカウトした園子”先輩”に助けを求めようと、その場を見渡す。居た。えっと。
 「先輩、そのいちゃいちゃしているのは誰ですか?」
 「ゴメン、なんかバレちゃったみたい。もう駄目だー。だからこの娘は哲子ちゃんの後釜」そんな事をおっしゃるじゃねーの。
 「今すぐここから出て行け!深川哲子!」私を指さし、そう宣言するみかかの前に私は元来た道を引き返して表に出る他無かった。バタン。
 唖然としながらそのポリ容器置き場と書かれたスチール製の扉を見つめていると、ドアが開いた。イクルミちゃん!イクルミちゃんだけは友達だと思ったよ!!そう歓喜する私の目の前で。
 「えーこれ私物ですから」と、まるで汚い物を処分してやるみたいな、嫌々緩慢歳な感じで、道路に投げ捨てられる私の私物。そして、バタンと閉まる扉、カチャっと施錠もされる。私は、暗黒のアスファルト上に散らばった、自分の私物をかき集め、鞄に詰め込むと、足早にその場を離れ、駅へと向かうのだった。
 私はふかばすから敵と見なされている。それはつまり、いつ攻撃されてもおかしくはない!モタモタしていては、私が消されてしまう。よく直後に冷静な判断が出来たものだと、自分で自分を褒めてやりたい気分。私は駅から地下鉄に乗り込むと、店舗兼住居がある高田馬場へと急いだ。地下鉄での移動中、私はお母さんにメールした。大変な事になったってね。そうしたら、すぐに返信が来た。それを確認した時、今日二度目の衝撃が私を駆け抜けた。
 『哲子ちゃん、お家が大変』一体何が起こっているんだ。
 地下鉄がホームに滑り込みドアがペンカンペンカン開くと同時に、私は飛び出した、幸い駅は空いていて私はそのまま改札で少し減速し、タッチして再加速、地上に出ると消防車の音や野次馬で騒然としている、角を曲がり、うちが見える位置になると、状況がはっきりと把握出来た。うちが燃えてるんだ。
 野次馬をかき分け、最前列に出ると。父ちゃんとお母さんを発見。二人とも無事でホッとする。でも、状況が只の火事ではないと疑っている私は、ここで安心していられない。
 「これは、どうしたの?」ゴクリと唾を飲み込みながら私がそう聞くと。
 「哲子ちゃん、テレビから火が」お母さんが残念そうに、そして私を気遣いながらそう言う。
 「そのテレビって」「哲ちゃんがみかかさんに貰ったプラズマテレビよ」「そう」事態を掌握した私はうつむいて一人黙り込んだ。
 「哲子」心配する両親。私は元気を振り絞り、二人にこう言った。
 「さっきアジトに行ったら、名字がばれて、敵と見なすって。みかかさんにそう言われてから」そう言うと、私の目から涙があふれ出していた。あれ?私悲しいのかな。
 「哲子ちゃん」「哲子、仕方ないさ。お前は悪くないよ」「うえぇ」周りの人達は家が焼けて悲しんで居る様にしか見えなかっただろうが、そんなのは物事の上っ面でしかない。、今始まったふかばすとの生きるか死ぬかの戦いを思い、私の涙を止める事がなかなか出来なかった。