現実の裁判より怖いネットでの評判

 そしてネット社会においては、ルール違反は警察でも裁判所でもなく、他ならぬ「ネット社会そのもの」によって裁かれる。無数の匿名の集団からよってたかって糾弾され、過去の作品まで遡(さかのぼ)って「パクリ」がないかを「検証」されてしまうのである。ネット上には、有名作家・マンガ家の「盗作疑惑」を検証する目的のサイトがたくさんある。こうしたサイトに取り上げられることは、作家にとって、現実の裁判にかけられるよりも恐ろしいことである。