13:35なんのために働いているのか

動機・目的のアイマイさが悩みに繋がる。
労働ではなく能力の開発だと意識しよう。
結婚と並んで、仕事や職業をめぐる不安や悩みがある。
男性の場合、多くは社会人となって引退するまでの時間の約三分の一は仕事に関わっているので、仕事を通じて存在感を味わい自由に生き生きとした人生を歩むには、何が重要だろうか。
まず、仕事をめぐる悩みといえば、◎今の仕事あるいは会社は自分に向いていないのではないか(選択がアイマイ)、◎なんのために働いているのか(動機や目的がアイマイ)、◎辛いと思うだけでやる気も充実感も感じられない(姿勢や態度がアイマイ)などであろう。
こうした悩みをまとめると、職業上の選択や目的、目標などがアイマイなので、三番目の姿勢もアイマイとなり充実感も得られないという心の状態がうかがえる。
こうしたアイマイさというのは、成り行きに流されたり、意識的な選択が為されていないので自由が失われており、その結果存在感も感じられないので不満が募り、悩みに発展しやすい。
ここでアイマイということを強調した理由は、自由と選択と責任という意識の希薄さに注目して欲しいのと、自由館が乏しければ存在感の喜びが得られないことを解って欲しいからだ。これは、仕事に限らず結婚について考えるときも同じである。
では次に、こうした悩みを自由と選択の観点から整理してみたい。
1どんな仕事が自分にはふさわしいか。(仕事の選択の迷い)
2仕事を通じて何を実現すべきか。(職業人としての目標の選択)
3どうしたら仕事で充実感を味わえるか。(仕事への姿勢の問題)
となるであろう。
当然の事ながら、1と2がしっかり選択されていれば3はおのずとうまくいくので、1と2が3の回答となっている。
1が最も重要な選択だが、実は大多数の人がここで思い違いをしやすい。実は、「どんな仕事がふさわしいか」ではなく「どんな仕事を欲するか」と問わねばならないのだ。
自分が真に「欲すること」でなければ、「自由感」の実現とはならないからだ。
もし「ふさわしいか」と問えば、出来ないかも(能力)、辛いかも、カッコの良さ(見栄)、収入や待遇、勤務条件など、仕事での自己実現とはかけ離れた「思いこみ」(我執)の呪縛にあい、自分を活かすという真に自由な選択は出来なくなってしまうだろう。
そのうえで、23も含めて重要なことは、仕事はレイバー(労働)ではなくワーク(好きで働く)であり、デベロップメント(能力開発)であるという意識を持ちたい。
仕事を通じての具体的な目標はそれぞれの自由ではあるが、自他共に誇れる作品(仕事)が残せるような、広い意味でのクリエイターを目指して欲しい。P.178